PBW(過去ログの一部になりきり要素注意)やその時ハマっているものの日記やら落描きやら。
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プロフィール

縁代まと@泰

Author:縁代まと@泰
ひっそりと生きている文章書き兼絵描きなオタク。
褐色肌スキーです。

PBWをメインにMMOやブラウザゲーム等を渡り歩いてます。
所持キャラ数は大体平均より多いので、それに苦手意識のある方はご注意ください。

▼memo▼
PBW:発言率は不均等
マビノギ:元トリアナ、マリー
ガンオン:全鯖&軍に所属。メインは1鯖ジオン
艦これ:まったりと提督業
トリネシア:名前は頭文字タ&ダ縛り
マイクラ:バニラだったりスキン変更していたり
pixiv:先行投稿はあっちだったりこっちだったり

コメント歓迎ですヾ(・ω・)ノ


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【SS】一月某日(鼎)

 運試しの前日のこと。
 









 丁度、半身が映る鏡の前へと歩み出る。
 本当は全身の映る鏡が良かったのだが、生憎と自分の仮住まいにそんな便利なものは置いていなかった。

(実家の化粧台の三面鏡があれば、なあ…)

 少し惜しく思いながら、シャツのボタンを留めてみる。
 …やはり少しおかしいような気がした。
 どこかどう、と聞かれても答えられないのが洋装初心者らしいところなのだが。
「む…。これ靴下履くんが普通なんかな…」
 呟いて白いスカートを摘む。
 生まれてからこれまでの十八年間、着物以外の洋服は数える程しか着たことがない。
 しかも今回はお出掛け用である。普段の生活を送る際に着る服はなんとなく想像がつくものの、人に確実に見られる服装となると…鼎には難しい。
 ちら、とテーブルの上に置かれた雑誌に視線を落とす。
 昨日急いで本屋で買ってきたファッション雑誌だった。
 目を惹かれるコーディネートがいくつか載っていたものの、持っていない服を使っているものでは参考にならない。
「……はぁ」
 ため息をひとつつき、鼎はそうっと受話器に手を伸ばした。



「…――あ、雅瑚はん?」
 何コールか待ち、電話に出た相手の名を呼ぶとすぐに返事があった。
 こんな時間にどうしたの、と問いかけられて時計を見る。
 午後十時。もうこんな時間なのかと目を見張りつつ、本題に移る。
「あんな、動きやすい格好て…どんなん着たらええか分かりおす…?」
 和服で?と聞かれて思わず首を振ってしまう。
 こほんと咳払いをし、改めて否定した後に洋服で、と付け足した。
「…うん、うん、そうなんよ…全然わからんでな、もう凄い迷って迷って……」
 このスカートに対して靴下を履くのが普通なのか否なのかすら、判断出来なかったくらいである。
 それに関してはさすがに格好悪いので、伏せておいたが。
「……え?あ、いやいやっ、べ、別に何かあるって訳やないんどす、うん」
 想像していなかった問いに驚きつつ、思わず引っ張ってしまった電話を元の位置に戻す。
 なぜか雅瑚はくすくすと笑っていた。
 ……何か色々と悟られている気がする。
「う…うん、ちょっとな、お出掛けするんよ。人の多いところやから、着物より洋服の方がええかなあ…て」
 うーん、と唸る声が受話器から聞こえた。
 しばし間を置いて、シンプルなコーディネートの詳細が伝えられる。
「そ…そんな素っ気無いもんでええのん…?あ、うん、首飾りならあるけれど…」
 鼎なら下手に着飾るより、シンプルなものの方が良いのだそうだ。
 たしかに初めから髪も目も派手な部類である。
 …実際にはもう少し違う理由だったが、鼎はそれで納得した。
「わかりおした、ほな寒かった時はそうしおすな。……って、だから違っ…、…わかったよ、頑張って来おす」
 最後は何かに根負けし、くすりと笑ってから電話を切った。



「さー、ここからが大切どすな…!」
 ロングTシャツとスカートを合わせて鏡の前へと行ってみる。
 かなり味気ないが、これで本当に良いのだろうか。
 少しだけ考え、棚から貰い物の首飾りを取り出した。
「落としませんように…」
 小さな声で祈り…もとい、自分への注意をしてから首につける。
 さっきよりマシになった気がした。
 最後に長めの靴下を履く。寒いかもしれないと危惧していたので、別に履いても良いと雅瑚に言われた時はちょっぴり嬉しかった。
「うん…まあ動きやすいかな…」
 解いていた髪を結い上げ、何歩か歩く。特に抵抗感はない。
 ほな次!と自分に気合を入れると、手元にバッグを引き寄せた。
 このバッグも昨日買ってきたものだ。手元に巾着の類しか無かったのだから仕方ない。
 ファスナーを引いて開け、中に必要なものとカーディガンを丁寧に畳んで入れる。
「……あ」
 ふと思いついて立ち上がり、箪笥をごそごそすること数分。
 取り出したのは朱色のショールだった。
「あんたにも付いてきてもらおか」
 ふわりと肩から羽織って鏡の前に戻る。
 少し目を引く色だが…変な感じはしない。これで行こう、と手をグッと握り締める。

 その後、会った時は何と言おうか、何を向こうで買おうか等考えている最中、ふと時計を見ると針は十二時を指していた。
「こ、こらあかんっ…!」
 慌てて試着した服を脱ぎ、シワにならないようハンガーに吊るす。
 ここで失敗して明日着れないことになってしまったら元も子もない。



 緊張して何か失敗をしませんように――



 そう祈りつつ、鼎は布団を頭から被った。
 
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